今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

お徳の中で 教会長 銀座だより10月号

新型コロナウィルスの感染者数が増えてきています。一日も早い収束と、入院されている方々の一日も早い回復と、亡くなられた方々のみ霊の立ち行きをお願いさせて頂いていますが、現在銀座教会の信者さんには感染者も亡くなられた方もおられないのは有り難いことです。神様にお守り頂いて日々暮らせていることをお礼申し上げております。 一人ひとりが出来る限りの心配りをさせて頂いて、神様にお任せしていくことが大切かと思います。 今年は祖母湯川ツヤ姫の二十六年のお年柄にあたります。今のコロナ禍の中で、祖母がいればどのような信心をするのだろうと思っていて、ふと思い出したのは、母(湯川千代姫)が祖母から教えられたこととして銀座だよりに掲載された話です。それは 「家族に信心を無理強いしてはいけない。それより自分が本当の信心をすればいい。家族に信心をさせなければ助けて下さらないような小さな神様ではない。それよりも自分の心が本当に助からなければ何十年信心しても家庭は助からないし信心の継承は出来ない。そのようなことを言葉ではなくて、日常の生活を通して神様に向かう姿で教えて下さったように思います」 コロナ禍の中で自粛生活をしていますと、あれこれと不安になることが心をよぎります。そのような時に自分勝手に心配して、心の神様を小さな神様にしてしまってはいけないのです。 どのような状況の中でも自分がしっかり信心していれば助けて下さらないような小さな神様ではありません。神様は必ず助けて下さいます。 このコロナ禍が収束したとしても、またどのような事が起こってくるか分かりません。自分が本当に助かっていればどのようなことが起こってきても心配はないのです。そのおかげを今この状況の中で頂いていかなければなりません。 足利教会の先代教会長松田清隆先生が銀座教会の修行生であられたころのお話です。 いよいよ金光教学院へ入ることになったころに結核に罹られて、教会の一室で静養しておられました。「私でご用が務まるだろうか」とあれやこれやと悩んでおられたのですが、「これから先は一切を神様にお任せする以外にない」と心から思われた。そのとき、サッと部屋のふすまが開いて湯川誠一初代親先生が顔を出されて「分かったな」と言ってふすまを閉めて行かれた。松田先生は生涯親先生を師匠として修業させて頂こうと心から思われたと話しておられました。 その松田先生がある時親先生に「真とは何ですか」と尋ねられた。「真」についてはいろんな方が説いておられますが、松田先生には今一つ納得できなかったので親先生に尋ねられたのです。  そうしますと親先生は「神様に対する真ということは、助けてもらわねばおれん自分であることだ」と教えて下さった。 私たちは日々神様に「助けて下さい」とお願いしています。その願いが真であるかどうかは分かりません。心の中では心配して自分で何とかしなければとか、大丈夫だろうかとか心が乱れて、本当に神様を信じてお任せするという信念がありません。 この神様は天地の親様です。私たちは力ない自分であることを分かって、神様におすがりして一切をお任せしていけば、神様は必ず助けて下さいます。これが神様に対する真であり、本当に助かることだと思います。 今、目先目先のことで一喜一憂しないで、自分の信心をもう一度見つめ直して真の信心を進めていきたいと思います。 8/1 初代・二代親先生夫妻例年祭(長)