今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

二代親先生 10年祭の式年を迎えて

改めて“まことの信心”を求めて 基本に立ち返り信心生活に工夫を

「銀座だより」2016年1月号 「二代親先生 10年祭の式年を迎えて」より


おかげの中で、共々に平成二十八年の新春をお迎えし、真(まこと)に有り難いことです。

本年は、東日本大震災から五年目であり、その後の台風・土石流・噴火等による被災各地を含め「復興と被災者の立ち行き・み霊様の助かり」への祈りと共に、昨秋のパリ同時多発テロの脅威等の現実に、改めて「世界真の平和達成」の御神願成就を願わずにはおれません。

なお皆様にお祈り添え頂きました伊豆大島協会も、昨秋無事ご神璽をお遷しし、日最後初の御大祭が仕えられましたことをご報告させて頂きます。

昨年は、湯川誠一初代親先生四十年祭のお年柄で玉水親教会湯川正夫先生御祭主の下、麗しく仕えられました。その折、「真の信心・真のおかげ」のお言葉を頂きました。ここから改めてそのおかげを求めて行かねばと思わせて頂きます。

一昨年末、私の母(湯川千代姫)がお国替えしましたが、家族一同元気におかげを頂き、さらに信奉者一同も同様におかげを頂いておりますのも、父湯川信直二代親先生のお祈りあればこそとお礼申し上げねばならないと思っております。

父の思い、願いをいかに受け継ぎ、実現していくか、築いて来られた土台を壊さず維持継承するところから出発し、時を経て父の思いが分かってきて私自身が湯川安太郎初代大先生・湯川誠一初代親先生、そして父の信心求め続けることを通じて信奉者と共々に道を求めさせて頂いたことを有り難く思います。“信心は明日に向かって進めていくことが大切で、道を神様が付けて下さる”これがこの十年を経てはっきりしてきたことです。

私にとっての変化は、結婚して子供を授かったことです。我が子を見て親の思い、父の思いが分かって来ました。私にとって父は優しい反面怖い存在でした。“可愛いと思う心が神心”と天地の神と氏子の関係のみ教えがありますが、父帰幽後、真に頼るべきものは、もう一人の親様をみ霊様と共に頂いていくことと分からせて頂いたことが有り難いと思うのです。


基本に立ち返り改まりの信心を

親神様が受けてくれよとのおかげは、目先の良し悪しを越えた根本の揺ぎ無い信心、心の継承です。真の信心をどう伝えていくか、どうすれば信心になるか、結局は生活態度こそ大切になってくる。初代親奥様湯川ツヤ姫の、嫁・姑の間でとやかく注意するのでなく後ろ祈念の生き方、生活と一如の信心の稽古こそ大切と思うのです。常に心を神様に向けて行くこと、私にとっては父に代わって教話のご用や御本部月参拝・親教会のご用等を通じて稽古をさせて頂いて来たとの実感があります。この十年かけて神様に一心になる稽古をさせて頂いてきたと信念しております。良し悪しを超えて常に神様に心を向けどこまでも神様を信じていく、父の信念の強さを改めて感じさせられています。また父は、失敗した時にも怒らなかったのが、今分かるようになりました。怒るのは簡単ですが、本人の反省・改まりがあって、本人が改まって行くことが大切であることを、常に傍(かたわ)らにいてみ教え下さったのだと思っております。

最近、新たに朝参りをされるようになった方があり、その訳をお聞きしましたら私の子供たちがお結界にお届けして登園登校している姿に倣(なら)ってとのことで、ご自身「これから職場に参ります」とお届けしてから出勤されておられます。御取次ぎを頂いて事に処する。足信心の実行です。

よく「おかげが頂けない」という人がいますが、まず自分の生活の基本に抜けがないか、原点に立ち返ることが大切です。父の十年祭の式年に際し、改まりの信心の工夫努力をと願っております。