湯川浩一(ゆかわこういち)
1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一
お徳の中で 教会長 銀座だより3月号
初代大先生(玉水教会初代教会長湯川安太郎師)の時代、北区の大火で家を焼失した信者さんがご神璽とご霊璽を預かってほしいと持ってこられた話があります。親の遺した財産で生活しているその信者さんへ、大先生は「もう一つ親の遺した通帳も預かりましょう」と言われています。〈親が信心したおかげ〉で生活が出来ているのです。それは〈天地のおかげ〉なので、信心しないと全部なくなりますよとおっしゃっているのです。
最近でも「両親が亡くなって家を処分します。こんな大きいお社は置けません」というようなことがよくあります。
この時に大切なことは、「子供に祀ってもらうのが親は一番嬉しい」との大先生のお言葉です。たとえマンションやアパート、小さなお社でも、子供に祀ってもらうのが一番なのです。
「神様のおかげを頂いて今日がある」ことを分からせてもらい、そのうえでこれから先どうすればいいか、娘しかいないからと諦めるのではなく、神様によっておかげを頂いて来たのですから、み霊様を祀るということも神様によってさせて頂くことが大切です。
(どうぞみ霊様を祀らせて頂きたい)と願っていくことです。お願い続ければ神様は道をつけて下さいます。現実に娘さんが嫁いでもみ霊様を祀っていくことができるご家族を見させて頂いています。
ご霊祭を迎えるに当たって
一、親先祖のご霊祭は我々がするのではなく、金光大神様、金光様のお取次ぎを頂いて、神様が我々の親先祖のお祭りをして下さるのです。そこを忘れないようにして、ご神前で「これから親先祖のお祭りをして頂きます」とお礼を申し上げます。親先祖がご信心をしていたとしても、お礼が足りなかったり、ご無礼があったかもしれない。そこを家族が成り代わってお礼とお詫びを神様に申し上げることが大切なのです。
一、親先祖のみ霊さまと共に今日を喜び感謝して今後のことをお願いするお祭りです。子孫の者がお参りしていないと、み霊様も淋しいと思いますから、子孫の者がお参りすることで皆さんの親先祖も一緒に喜んで下さると思います。
一、親先祖は過去の自分である。過去の自分を助けてこそ、現在未来の子孫も助かるのであると教えられています。
初代大先生が「まず親先祖が助からないとアンタは助からない」と言われたのに対し、その信者さんは「いや、親先祖のみ霊様はご飯を食べません。私を先に助けて下さい」との会話があります。その気持ちはわかりますが、切っても切れない過去の自分(親先祖)なのです。
初代親先生(湯川誠一師)は水に対してご無礼があると言われ、それをお詫び続けられました。子孫の者がお詫びすることで、親先祖もご無礼したことに気づかせてもらい共にお詫びをするのが、おかげを授けたいという神様から見た天地の道理ではないでしょうか。
一、「親先祖を大切にせよ。神はこれ以上の喜びはない」との思し召しを持った神様です。私たちが親先祖を大切にすることが、神様が一番喜んで下さること。その神様のお徳で親先祖も喜んでくださるのです。ご霊祭は信心を進めるうえで大切なお祭りです。
ご霊祭を迎えるに当たって、少しでも神様、親先祖に喜んで頂ける信心をさせて頂きたいと思います。
先生がお祭りしてくれるのでそれで終わりではなく、子孫の者が後々までおかげ頂けるように、それぞれが自分はどういう信心をさせてもらえばいいか、課題をもって取り組んで頂くことが大切と思わせて頂きます。