湯川浩一(ゆかわこういち)
1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一
お徳の中で 教会長 銀座だより06月号
元治元年正月朔日に、神様から教祖様に次のような御神伝がありました。『天地金乃神には日本に宮・社なし、参り場所もなし、二間四面の宮を建ててくれい、氏子安全守ってやる。天地金乃神には御上もなし、その方には御上もあり、世話人頼み、御上願い申し上げい。こしらえて上がかなわねば、どこへでも、宮のいるというところへやるけに構わぬ。こしらえいたせい。おかみがかのうて建てば、その方の宮。天地の神が宮へ入りおっては、この世が闇になる。正真、氏子の願い礼場所。その方取次いで、神もたちいき、氏子もたち、氏子あっての神、神あっての氏子。子供のことは親が頼み、親のことは子が頼み、天地のごとく、あいよかけよで、頼み合いいたせ』
それまで教祖様は、『取次ぎ助けてやってくれ』という神様からの願いをお受けになって、ご自宅の床の間の御神前でお取次ぎのご用をしておられたのです。
その後いろいろありまして昭和四十八年十月に現在の本部広前会堂が落成したのです。このお広前の御神前にはお扉も几帳もありません。『天地書付』が一つ掲げられているだけです。
天地の神様はこの天地そのものが神様なのです。ですから『神が宮にはいりおってはこの世が闇になる』と言われているのです。
本部広前は金光様のお取次ぎを頂く『願い礼場所』なのです。
天地の神様と金光大神様が一つになって人々の願いやお礼を聞いて下さるところが御霊地本部広前なのです。そしてその延長が銀座教会のお広前です。
湯川誠一初代親先生は「ご本部に参拝したらお礼だけ言っておけばいい」と言われていました。でも参拝する人たちは、わざわざ参拝するのですからあれもこれもお願いしたいと思っています。
では、どのようなお礼をすればいいのでしょうか。まずお引き寄せ頂いたお礼を言いなさいと言われています。神様は『世間には難儀をしている者たちが大勢いる。取次ぎ助けてやってくれ』と教祖様にお頼みになっています。
私たちは日常何事も自分の意志で行動していると思っていますが、神様のこの願いによってお引き寄せを頂いているのです。自分だけではどうにもならないことを、お取次ぎを頂いて神様のおかげを頂く道に、お引き寄せ頂いていることのお礼を申し上げることが大切なのです。
そして日々天地のお恵みによって生かされているお礼。人それぞれにいろいろな役前や仕事があります。天職と言われているように、すべての働きの上に天地のお繰り合わせを頂いて都合よく進んでいるのですからそのお礼も大切です。
身の回りに起こってくる様々な難儀も、生かされて生きているから起こってくるのですから、まずそのお礼を申してからお願いするのが順序なのです。
この天地そのものが神様ですから神様は昔からおられるのですが、教祖様が信心されたことによって神様からおかげを頂く道がついたのです。その延長が銀座教会のお広前で、日々お取次ぎを頂いておかげを頂いていることのお礼も申し上げなければなりません。
私たちが日々当たり前のように思って暮らしていることも、一つひとつ天地の神様のお働きを頂いて出来ているのです。改めてそのお礼を申し上げることも大切です。
私たちは、つい身の回りの目先のことに囚われて、お願いが先になります。お礼が先になると喜びが先になりますが、お願いが先になりますと、心配や不安が付きまとうことになります。
『おかげは和賀心にあり』と教えられています。順序を間違えないようにしなければなりません。