今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

お徳の中で 教会長 銀座だより7月号

 五月四日に、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が、五月末まで延長されました。四月末では東京の感染者数が少し落ち着くかと思われていましたが、五月一日に百六十五名、二日に百六十名と増加傾向にあり、月末までは長すぎるとの思いもありましたが延長されました。ところが連休明けから全国的に徐々に感染者数が減っていき、十四日に三十九県は解除され、二十一日に大阪、京都、兵庫も解除されました。  銀座も二十五日から徐々にデパートが営業し始めるようですが、二十五日の天地金乃神大祭は本部広前・親教会と同様に祭員は銀座道輝教師会員で奉仕し、参拝者は自宅より遥拝する事となりました。  宣言が発令されてから約五十日余りの間自粛生活が続き、それまで普通に外出ができ、普通に人と接することができていた事は、当たり前ではなく、有難いことであったと思い知らされ、お礼の足りていなかったことをお詫びいたしました。  人の命についても改めて考えさせられました。もし私が感染して、私は無症状でも家族や信者さんに感染し、疾患のある人が命を落とされたら、その家族は火葬にも立ち会えないかもしません。そう思うと何度も教会の閉門も考えました。  次にストレスです。自分では変わりない生活だと思っていましたが、マスクでのお取次、感染拡大防止のための諸々の対応に、いつの間にか溜まっていたのか、五十肩や歯肉炎になりました。  そんな時、三月から休校になっている子供たちが、とても元気で明るく、いつも家庭内に笑いが絶えず、何度も家族に助けられました。  玉水親教会の日めくりの二十二日に、「今、していること、思っていることが、先の運命になるのです」とあります。今の自粛生活が二週間後の感染者数を決めると言われていますが、私達はおかげが頂けないと、すぐに神様に不足を言いますが、本当は二週間前にご無礼したことが、現れているのと同じではないだろうか、と気付かせてもらいました。  宣言が解除されても、この新型ウイルスはそう簡単には終息はしないでしょう。ある程度安心して生活出来るには、特効薬とワクチンの開発が必要です。それにはまだ時間がかかります。これからの長丁場、ウイルスとの共存生活をうまく付き合っていくことが必要です。コロナ対策をしながらの生活に心身ともに切り替えて行くことが大事だと思います。  小学生の二人の子供のオンライン授業を見ていて、はじめはオンラインで新しい担任の先生や友達に会うなんて考えられませんでしたが、本格的に始まり、すっかり馴染んで対応している子供たちの姿をみると、これからは柔軟に対応していくことが大切だと感じました。  今回宣言後、午後二時のご祈念を、以前から午後四時にしていたご祈念の内容に変えました。その中身は、初代親先生の「天下太平・諸国成就 総氏子身の上安全 世界真の平和達成 全教一心全教一家の御神願御成就のお役に立たせて頂く氏子にお取立下さいますようお願い申し上げます。」という祈願をみんなで唱えて、最後に「新型コロナウイルス終息祈願詞」を奉唱します。  銀座教会は二度も焼失しましたが、初代親先生は「建物は焼けても大地は死んでいない」と、「東京復興」「日本復興」を天地に祈り、さらに「天下太平・国家安全」と祈ることを貫き通しました。  この度の新型コロナウイルスは、我々の力ではどうすることも出来ません。心配や不安は神様に渡して、一心に祈りおすがりしていくしかないのです。初代、二代親先生がそうなさったように、我々もこの難儀をおかげを頂く時だと、思いを変えて大きなおかげを頂きましょう。