今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

お徳の中で 教会長 銀座だより9月号

今年も上半期が終わり、感謝祭と罪けがれを祓う夏越大祓式を仕えさせて頂きました。 今年の上半期は新型コロナウィルスが猛威を振るい、世界でも日本でも大勢の方がお亡くなりになっています。 おかげを頂きまして現在銀座教会には感染者も重症者もなく、今日も久しぶりに参拝された方もおられるようで、元気な姿でお会いできることは広大無辺のおかげと言わなければなりません。 銀座通りも自粛期間には車も通らず人の姿も見えなくなりましたが、最近は元通りとはいきませんが銀座の街らしくなってきました。教会もお広前と二階にソーシャルディスタンスをとって椅子が並べられています。 当たり前のように思っていた生活や参拝が、当たり前のことではないと改めて教えられた思いがします。 そのお礼を神様に申し上げるのが感謝祭ですが、日々の暮らしの中で目に見えるおかげにはお礼が言えても、もうひとつ前の根本のお礼はなかなか言えません。 教祖様は『信心していれば、目に見えるおかげより目に見えないおかげが多い。知ったおかげより知らないおかげが多い。後で考えてみて初めてあれもおかげであった、これもおかげであったと分かるようになる。そうなれば本当の信者である』と教えて下さっています。 これは、神様から天地の恵みを頂いて、生かされて生きているということで、目先目先の目に見えることへのお礼は言えますが、その前に生かされている神様の働きや思し召しへのお礼はなかなか言えません。 新型コロナウィルスも目に見えませんから、いつどこで感染するか分かりません。今まで普通に生活が出来、外出が出来、だれとでも話が出来ていたことが当たり前なのではなく、すべてに恵まれて出来ていたことを分って、改めてお礼を申し上げることが大切なのです。 私たちの生活は、思い通りに順調にいくことばかりではありません。様々な困難や災難も起こってきます。その中でもすべてのことに恵まれ守られているから日々暮らしていけるのです。このことへのお礼はほとんど出来ていないと言っていいと思います。 そのことを日々の暮らしの中の一つひとつの出来事を通して分って改めてお礼を申していくのです。 前にも話しましたが玉水教会が制作された日めくりの中に「今思っていること、していることが先の運命になるのです」という言葉があります。 連日公表される新型コロナウィルスの感染者数も、実は二週間ほど前に感染した人数なのだと言われています。 私たちの暮らしの中では様々なことが起こってきますが、その一つひとつの良いことも悪いことも、自分が思ったこと、したことの結果なのかもしれません。 昔から何か事が起こってくると、神様からのお気付けだと言われてきました。「今月今日」をしっかり生きていくことを教えられているのだと思います。 夏越大祓式は今日までの罪めぐりをお詫びするお祭りですが、お詫びするだけでは先の幸せは生まれてきません。 目先目先の出来事を通して、思いや生き方が改まって、信心が一つずつ進んで神様の思し召しに沿える生き方になっていくことが大切なのです。 お広前で毎日二時のご祈念で奉唱している祈願詞には「世界真の平和達成、総氏子の身の上安全、世界の御氏子の身の上安定の御神願ご成就の御願い申し上げます」「何とぞご神願ご成就のお役に立たせて頂く氏子に、御取り立てくださいますよう御願い申し上げます」とあります。  6/30 上半期感謝祭・夏越大祓 (長)