今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

お徳の中で 教会長 銀座だより2月号

 私は毎月ご本部参拝をさせて頂いていますが、これは初代親先生から続いているのです。銀座教会が布教された年に関東大震災が起こり、鉄道が不通になった月と、銀座教会として公に認可されることになって途中から引き返すことになった月を除いて毎月続けられてきました。
 二代親先生もそれを受けて続けられ、私も続けてきましたが、コロナ禍で非常事態宣言が出され、外出の自粛を言われて途切れる月ができました。そして参拝できた月と出来なかった月とでは違いがあることが分かりました。
 ご本部に参拝しますと教主金光様が毎朝四時にはご自宅から本部広前へお出ましになります。そしてご神前で私たちのことをご祈念下さっています。私たちは日々そのご祈念の中で目を覚ますことになります。このことを初代親先生は教主金光様が日参されていると教えて下さっています。
 初代親先生も二代親先生もご本部参拝をして教祖様の奥津城で礼拝した後、教祖様のご生家の方向に向かって遥拝されました。私もそうさせて頂いていますが、その始まりは、湯川安太郎玉水教会初代大先生からで、あるとき一緒に参拝されていた初代親先生に「お前はどういう気持ちでお礼申したか」と話しかけられ、「私は心からお礼申したのや。めぐりが深く、どんな境遇に陥っていたかしれない不幸せな私が、信心をさせて頂いたおかげで、私だけではなく大勢の信者さんたちもおかげを頂いている。それは教祖様がこの世にお出まし下さり、この道をつけてくだされていればこそである。真にありがとうございますとお礼申したのや。そしてそういう教祖様を生み育ててくだされた教祖様のご両親のみ霊様にもお礼申さずにはおれないので、ご生家を遥拝させて頂いたのや」と話されたと伝えられています。
 初代大先生がおかげを頂いてくださったから玉水教会が生まれ、一の弟子であった初代親先生が東京に布教されて銀座教会が生まれ、その信心を二代親先生が受け継いで下さったから、ご本部参拝が続けられている。場合によっては、私は生まれていないかもしれないのに、子供にも恵まれご本部参拝も出来ている。
 そのもとはと言えば教祖様がこの信心の道をつけてくださったおかげなので、その信心を頂いて参拝させて頂かなければならないと思っています。
参拝ということも人それぞれの事情があっていろいろな思いがあります。『信心とは心が神様に向かうこと』と教えられています。参拝しようと思うときは、心は神様に向かっているでしょうから、神様は必ずその心は受け取って下さいますが、『おかげは和賀心にあり』とも教えて下さっています。おかげを頂ける心の土台を作らなければなりません。
それには参拝して一言でも二言でもお話を聞いて、心で信心を練り上げて、おかげを頂く土台を作り上げていくことが大切なのです。
 私たちの暮らしには様々な難儀が生まれてきます。自分の都合にこだわっているとあれこれと愚痴不足が生まれてきます。お話を聞いて、難儀な中でも天地から恵まれて生かされて生きていることが分かれば、有難いと言える心が生まれてきます。『有難し、と思う心すぐにみかげの初めなり』と教えられています。
 コロナ禍が収まって参拝が出来るようになると、形の上で参拝するだけではなく、おかげを頂ける信心をしっかりと心に頂いて、おかげを頂ける参拝をしていかなければならないと思います。
 難儀を難儀だけで終わらせないで、難儀の中でおかげを頂いていく信心をしっかりと進めていきたいと思います。