今月のことば

湯川浩一(ゆかわこういち)

1966年(昭和41年)二代教会長・湯川信直師長男として出生。
慶応義塾大学経済学部卒。1989年(平成元年)金光教教師拝命。
2006年(平成18年)信直師逝去の後三代銀座教会長に就任。

銀座教会長 湯川浩一

銀座教会長 湯川浩一

お徳の中で 教会長 銀座だより7月号

 私たちは一切のことを、天地の神様のおかげを頂いて生かされて生きていると教えられていますが、分かったようでよく分かっていません。  言葉で聞きますと何となく分かったように思うのですが、その神様はどういう神様ですかと問われますと、はっきり答えられなかったりします。  教祖様は『神様に会おうと思えば、外へ出てみよ。上が神、下が神』と教えて下さっています。  父(湯川信直二代親先生)は「金光教の神様は、この天地一切が神様で、天地一切の働きが神様の働きなのです」と話しています。(しんじんハンドブック)  都会では高層ビルが立ち並び、道路もコンクリートで舗装されていますので、天地というイメージとは程遠い感じで暮らしていますが、すべてが大地の上に建設されていて、生活していくうえで必要な水や食物も天地の働きのなかで存在し、それぞれがそれぞれの働きをしていて、私たちはその恩恵のなかで生活しているのです。  しかし、私たちの暮らしの中で起こってくる問題は、身の回りのことだけでなく、病気や人間関係のこともあります。心が、自分の都合中心の思いや考えへのこだわりが強いと、自分自身や周りに様々な難儀を生み出すことになってしまします。  ここでもう一つ大切なことは、神様は私たちに心を分けて下さった親様だと教えられていることです。  わたしたちは、身の回りのことやその働きばかりでなく、目に見えない心やその働きも、神様から恵まれて生かされて生きていて、神様はもう一人の親だと教えられています。  神様と言いますと、私たちからは遠い存在のように思いがちですが、心を分けて下さった親ですから、心を神様に向ければ、神様は私たちの心にきてくださいます。私たちの心は神様と通じているのです。そして親ですから何でも遠慮なくお願いすれば聞き届けて下さいます。  でも、「もし聞いて下さらなかったら」などいう迷いがあったり、自分の思いや考えへのこだわりが強かったりすると、神様が来て下さる余地がなくなります。「愚痴不足、勝手勘定、取り越し苦労はおかげの断り」と教えられています。  私たちの心が神様と通じるかどうかは、私たちの心の在り方次第なのです。  教祖様は『おかげは和賀心にあり』と教えて下さっています。  私たちの体はいろいろな臓器や数えきれないほどの細胞の働きが間違いなく働いてくれているから健康でいられます。人間関係もそれぞれの働きを間違いなく働いていれば問題は起こりませんが、自分の都合中心の思いや考えにこだわっていると様々な問題が生まれてきます。  私たちは、いのちの壮大な働き合いの一つひとつのことは何も分かっていませんし、自分の思い通りにする力はありません。そのことが分かっていませんから自分で何とかしようと思ってしまうのです。自分には何とか出来る力はないということを自覚することが大切なのだと教えられています。  一切のことが神様の働きのなかで生かされているのですから、どのような事でも神様にお願いしていけば道をつけて下さいます。そのことを教えて下さったのが教祖様で、お取次ぎを頂いて、どのような事でも道をつけて頂ける所がお広前なのです。  その天地金乃神様へのお礼とこれからのお願いをするお祭りが春の御大祭で、教祖生神金光大神様へのお祭りが秋の御大祭。このお広前でお取次ぎくださった初代親先生、二代親先生へのお祭りが八月一日のお祭りです。